2020年7月27日月曜日

S_nao NOTE 孤食

『子供の孤食を防ぐ子供食堂 ―持続・拡散するための費用確保―』

 

都市部・東京(過疎地域以外)の子供達の孤食がありその解決策の一つに子ども食堂がある。この子ども食堂はボランティアで行われているものがほとんどであり、運営者はその運営を行うのは苦労を強いられている。そのため孤食の現状の子供達を救うために子ども食堂を存続させることが課題となっている。現状として子供食堂の運営者の24.%は立ち上げ期に運営費についての不安を抱え、29.6%は運営時に不安を抱いている(農林水産省 2018)。より多くの運営費を集い、このような不安を払拭させ、子供食堂の運営を円滑化するためにはどのように運営費を確保すればよいのだろうか。私は多くの費用を集めるために子ども食堂の運営費を都や国から集めることで施設の信頼も集めることができると考える。

個人からの運営費の集い、つまりボランティアなどでは多くの運営費を集めることができず、施設の閉鎖へ繋がってしまう。現状運営されている子ども食堂の80.7%が自治体や社会福祉協議会の直営であり、そのうちの42.5%が任意団体、23.1%がNPO法人、14.9%が個人運営である。このように多くの子ども食堂が個人運営であるのが現状である。また70%以上の子ども食堂の運営費は年に30万円未満であり、30%以上確保できているものはたったの25%の施設であり、運営費確保は苦難を強いられている(農林水産省2018)。

投資型クラウドファンディング・寄付型などの第3者からの出資で運営費を集う方法もある。実際に子ども食堂でお金やもののほとんどが寄付で成り立っているところはそれが大きな財力となっている。しかしそれは安定したものでないためそれに頼ることは運営する上で得策ではない。また集まったとしてもそれを効率よく使うことができるような戦略を立てられる専門家がおらずうまく役立てることが難しい。

そこで最も安定して費用を集めることができ、子供を預ける保護者・地域から信頼を得ることができる方法は国や都市による支援である。品川区はふるさと納税の一つとして資金を集めている。そして品川区社会福祉協議会に「しながわ子ども食堂ネットワーク事務局」を設け寄付の受付・配布、サポートを行っている。この運営局を経由することで衛生管理・食材や物品・信用金庫の協力を得ることができ、子供達が安心して楽しく過ごせる環境になっている(TRUST BANK 2019)。またモスバーガーや日立などの有名企業からの支援も得ることができ、そのネームバリューから保護者も安心して預けることができるようになっている。また区が行うものはふるさと納税という形で資金を集めることができるため出資者は税金の控除・ふるさと貢献・返礼品の受け取りが可能になるというメリットがあるため資金も集めやすい。

制度化されてしまったら子ども食堂の柔軟な対応ができるというメリットが失ってしまうという意見もある。しかし、子供食堂が制度化されて子供達が安心して楽しむことができる、保護者や地域が安心して預けることができるものになるのならば良いのではないか。また制度化や運営費の安定した確保が行われば施設を新設しやすくなり、最も多く存在する東京だけでなく全国へと子供食堂を広げることができると考える。また国による支援によって制度化されることで衛生管理を行いやすくなることから、保健所への届出がしやすくなり子供達が安全に過ごすことができる。子ども食堂のうち衛生管理の責任者が存在する施設は61%、調理師免許をもつ調理師がいる施設は37%であり、保健所の届け出を行い許可が下りた施設は20.8%、届け出を行った施設は17%、相談をしたが許可が下りなかった施設は35.4%と衛生管理を徹底してするためには個人の経営では難しい(農林水産省 2018)。しかしもしそれが国や都が認めたものであれば衛生管理者の派遣、保健所の許可が下りやすくなる。

このことから個人や寄付では限界があるため国や都が支援することで安定して、そして継続して施設の運営ができる。現在存在する子ども食堂は貧困家庭や孤食の子供たちに温かい食事と安心して過ごせる場所を目指している。またそれだけでなく子ども食堂は子供のための居場所としてではなく交流・情報交換の場にもなっているため、この場所の存在を広げると共に継続していけるような体制や支援を充実させることも重要だと考える。

(1777)

 

引用文献

農林水産省(2018)「子ども食堂と地域が連携して進める食育活動事例集〜地域との連携で食育の環が広がっています〜」『農林水産省ホームページ』<https://www.maff.go.jp/j/syokuiku/set00zentai.pdf>(最終閲覧日20191220日)

 

TRUST BANK(2019) 「子ども食堂の支援としあわせ食卓事業で、子どもたちの心の笑顔をつくりたい」『ふるさとチョイス ガバナントファンディング』<https://www.furusato-tax.jp/gcf/608>(最終閲覧日 2019

0 件のコメント:

コメントを投稿

Season2 :NOTE

Season2 では私の学びについて紹介しました。 孤食、ジェンダー、精神の自由は現代問題の大きな核です。 孤食は具体的な解決策が良い方向につながる可能性があるかもしれませんが、ジェンダーなどの心情に関わる諸問題ななかなか具体的な策はありません。 そのため、それぞれがそれぞれを認...